にかぽの日記 -35ページ目

開発依頼の契約で注意すること

今日は子供の看病のため会社を休んだ。一旦よくなったと思ったのに夜また高熱を出している。可哀想だ。

最近システムのノウハウものを書いていないので、そろそろ書かなければいけないとプレッシャーを感じている。それを楽しみにしている人がいますので・・・。あまり役に立たないかもしれないが、今日はシステム開発の契約を結ぶときに気をつけなければならないポイントを記述してみる。

まず、注意点を書く前に、システム開発でよく利用される契約の形態をよく理解しておく必要がある。開発を指揮するのであれば、最低限知っておくべき知識である。と偉そうに書いている私ではあるが、5年前ぐらいまでは知らなかった。

<請負契約>
プログラム開発では最も一般的な契約形態。請負業者はプログラムなどの納品物の完成責任を負う。支払は完成品が納品、検査されてから発生する。

<委任契約>
要件定義など完成品の概要がはっきりしない場合によく利用される契約で、成果物が完成しない状態でも料金の請求が可能となる。月額いくらの契約が一般的で、契約上は開発支援作業など「支援」という表現を利用することが多い。

<派遣契約>
人材を派遣し、依頼者の監督のもとで開発業務を行う契約。上記2つとの大きな違いは、派遣は作業者に対しての指揮監督を依頼者が行うことである。そのため、作業者がミスしてもその責任は依頼者が負うことになる。逆に上記2つの契約は、担当者に依頼者が直接指示を出すことはできないが、作業内容の責任は受託者が負うことになる。

では、前提知識を身につけたうえで、契約を結ぶときの依頼者側から見た注意点を紹介しよう。あまりたくさん書いても覚えられないので、3つだけにしておく。

1.著作権の移転
プログラムの所有権はお金を払った依頼者に帰属するが、著作権は開発者に行ってしまう。本を購入すると本の所有者にはなれるが、著作権は筆者に属したままの状態とよく似ている。支払と同時に著作権も移転するという条文を載せることを怠ると、お金を払ってもプログラムの権利全てを完全に自分のものにすることができない。

2.瑕疵担保責任の期間
プログラムのバグを無償で直してくれたり、損害賠償に応じてくれる期間だが、依頼先から契約書のひな型をもらうと、これが短かくなっていることが多い。大低は1ケ月か3ケ月になっていると思われるが、迷わず1年に変更してもらおう。

3.納品物及び納期
納品物と納期をしっかりと明記すること。納期が遅れる場合のすみやかな通知の義務付けと、罰則規定までつけられるとよい。

以上です。保守契約になると、解約の条件が上記に追加される。解約は6ヶ月前までに書面で、などとなっているのを、関係者で協議して即日というよう変えた方がいい。

討論飲み会

今日は新しい会社のエンジニアの人と飲む機会があった。本当は別の目的で今の会社の人と飲んでいたのだが、成行で3人で飲むことになった。

このエンジニアの人、コールセンターのシステム構築に15年以上携わっているとのこと。そして、この人はコールセンターのシステムを作りたいと思っていることを知った。なんだ、俺が作ることないじゃないか。コールセンターはユーザーとしてしか関わったことがなく、どうやって作るのかが不安だったので正直ホッとした。

では、私は何をすればよいのだろうか。いろいろと話を聞いてみると、保守体制がしっかりしていないことと、開発のドキュメント管理ができていないことを問題視しているらしい。保守体制はひょっとすると私が作るのかなあ。専門ではないが、ちとかじっているので何とかなりそうだ。特にやりたいとは思わないが、やっても構わない。開発管理はやりたくないと断っているから私には来ないだろう。

あとはワークフローのシステムを社内に導入することか。何か大したことないね。今の客先の仕事をやりながら、ピノコと新人の女の子と楽しく仕事出来そうだ。女の子と勝手に決めているが、こうなると女の子じゃなかったら悲劇だね。人選はしっかりしないとね。

結局、今日は11時過ぎまで真面目な話をビール3杯だけでしてしまい、お姉ちゃんのいるお店には行けなかった。残念!

子供発熱

引き継ぎ資料を作るつもりがダラダラとした休日を過ごしてしまった。夕方から重い腰を上げようと思ったが、子供が熱を出して、救急病院に連れて行っているうちに休日は終わってしまった。まぁいいか。仕事は明日会社でやろう。待てよ。子供の熱次第では明日は会社を休む必要あるな。

病院の前で縦列駐車しようとして、後ろの車にぶつかった音がした。暗くて後ろがよく見えなくて、こんなに近くにいるとは思わなかったのだ。車を降りてぶつけた箇所を確認したが、一切痕跡がない。あの音は何だったんだろう。それにしても俺、縦列駐車上手くなったなぁ。こんな狭い所に一発で入れるなんて。後ろにぶつかってるけど・・・。

「鋼の練金術師」のDVDを見た。評判だと聞いたので、人気がおさまるのを待って借りたのだが、第6話まで見たところの感想は、「ふつう」だな。

ここのところ、にかぽ株式会社の話ばかり日記で書いているが、自分の会社を立ち上げたい理由は、

1.自分の好きな仕事がしたい
2.稼いだお金を搾取されたくない

の2点だ。ふざけた理由で申し訳ない。こんな志ではうまく行かないかもしれないなぁ。でも、1番目の理由は重要だからねえ。

最近ようやく安眠できるようになった。今日はもう寝る。

2年後

金曜日はつき合いのある開発会社の常務(といっても私より2つ年下だが)と飲んだ。開発会社を将来営むつもりだと話をしたところ、コンサル会社をやった方がいいとアドバイスを受けた。私はコンサルをやるべきで、そもそも今のような働き方は私に合っていないとも言われた。俺のこと、そんなに知らないはずなのにな。

開発で中国やバングラデシュのリソースを使う話をしたところ、海外よりも日本の地方を使うという方法もあると教えられた。人月単価が10万円ほど安いらしい。なるほど、一理あるなと思った。男よりも女の子を使いたいと話をしたところ、最終的には男がいいとも言っていた。底力が違うと。それは平均的に見ればそうかもしれないが、女性は労働社会のなかで今なお差別を受けているので、実は女性の方が優秀な人材を集めやすいというのが私の持論だ。ただ単に自分の趣味に走っている訳ではない。同じ条件を提示した場合、男性よりも女性の方が質が高いのだ。世の中の女性諸君。同じ能力の男性よりも給料安いでしょ。申し訳ないが、私はそれを利用しているのだ。でも、徐々に男性と同じ給与水準に上げるので許して欲しい。。

ちと話がそれた。この常務、能力があるのかないのかよくわからない。実は私はこの人物をあまり好きではないのだが、3年も付き合いが続いている。お互いに利用価値ありと値踏みしているからだと思う。どうやら彼は私のことを買っているようで、私の会社に協力したいと言っていた。うーむ、どうなのかな、この男。信用はできないが、使える男ではある。彼は今の会社を辞めるつもりで、一諸に辞める後輩もいると言うが本当かね。経済的な保証がなければ誰もついて来ないはずだ。そして、さらに合致する目標がなければ誰もついて来ないはず。

今後、にかぽ株式会社の基礎を今の会社で調達する人材を中心に2年間で作って行くつもりだ。自分が任せられる予定の部署のうちのアプリ部隊をまずはスピンアウトさせることから始まると思うが、人心の掌握は難しいに違いない。今の会社に残りたいだの、転職したいだのと騒ぎ出すに違いない。そのとき、どれだけ経済的な保証を与え、かつ、夢を見させることが出来るかが自分の器量なのだろう。

と2年後のことを考えるよりも、まずは今の客先の引き継ぎを片付ける必要がある。明日は休日つぶしてその作業だな。悲しい・・・。

仕事の美学

5年ほど前、一回りも年の離れた女の子から、確かこんなことを言われたことがある。

20代は自分のために働き、30代は家族のために働き、40代は社会のために働きなさい。

私はずっと自分のために働いてきた。これからもそうあり続けると思う。人のために働いたことはない。部下のために損な役回りをしたり、経済的な犠牲を払うことはあるが、それも言ってしまえば自分のためだ。部下を見殺しにする自分が許せないから部下を守る。部下のためではなく、自分のために起こす行動なのだ。だから、部下から感謝されたり、他の人からできることではないと感心されることはあるが、自分のためにしたことであり、感謝されてもピンとこない。

家族のために働いていると思ったことは一度もない。家族が知れば悲しむかもしれないが、私はそういう精神回路を持ち合わせていないのだから仕方がない。息子が生まれる直前に会社を辞めてプー太郎になったし、息子や妻の顔をみて頑張ろうとはならない。よく息子のためになどと言っている人がいるが、本当にそうなのかなと疑ってしまう。私にとっての家族は、私が辛いときに私を助けてくれる人たちの集まりというイメージが強い。我ながら何て都合のいい思考回路なんだろうと思う。でも、家族とは家族愛で結ばれているのだから、「家族のために」などという押し付けがましい理屈が登場するのはそもそも変だ。家族のために働くのは当たり前のことなので、特別「家族のために」などと意識しなくてもいいんじゃないかな、と自己弁護している。

私には仕事に対する自分なりの美学があり、その美学を守ることで自己満足を得ている。徹底的な自分主義ではあるが、私の持つ美学が世間に受け入れられやすいので、自己満足に浸っていても文句を言われないのだと思う。

私の仕事に対する美学は、

1.絶対に嘘はつかない
2.常に全力を尽くす
3.自分の失敗を絶対に人のせいにしない
4.立場の弱い者を困らせない
5.自分の権力を悪用しない

である。他にもいろいろあるが、いつも意識しているのは上記の5点である。私はこの難しい定めを守っている自分が好きでやっている。理由はどうであれ、こんな人間はそうはいない。それがまた自己陶酔率を高める。

驚くなかれ、上記5項目を社会人5年目ぐらいから守り続けている。少なくとも自分ではそう思っている。社会人なり立てのころもそこそこイケていたが、2が欠けていた。こんなに長い間守り続けて来た美学だが、つい最近ある出来事で4と5を同時に破ってしまった。未だかつてない状況に追い込まれ、自己防衛反応でやってしまったのだが、やった後で、今後の自分の事業をスピーディに発展させるためには、4と5がちょいと邪魔になってきたなと思った。で、はずすことにした。自己に課したルールというのは、一度破ってしまったらおしまいだ。抑制力が利かなくなり、何度でも破ってしまうからだ。でも、これをはずすとセクハラ、パワハラしちゃうので、しないように代わりの条項を設ける必要がある。っつうか、すでにしているという噂が・・・。本人が気づいていないだけで、もうずいぶん前からセクハラ上司って言われてるし・・・。ということで、4と5はもういいや。

と開き直ると自分に誰もついてこなくなるので、4と5は「自分の部下は自分よりも大切にする」という条項に変更しようと思う。とても浪花節的で素敵な条項なので、自尊心をくすぐるぜ。きっと守れると思うよ。

人生むなしい病

金曜日の夜はしこたま酒を飲んでしまった。近年では最高だと思う。同伴者によると一升は飲んでいたというが、さすがにそんなには飲んでいないと思う。いくら調子がよくても一升は飲めない。でも、確かによく飲んだ。すべてを忘れたかったのだろう。

最近色々なことがあって相当参っているが、カミさんに言わせると、確かに色々とあるかもしれないが、通常の精神状態であれば問題なく対処できるレべルであり、今私がおかしな状態に陥っているのは、「人生むなしい病」の周期にあるのが原因だと言う。それは案外的を得ているかもしれない。

今日一日、私の持病である「人生むなしい病」について考えてみた。そして、ようやくその発生メカニズムを発見したように思う。どうやら、今までの自分の価値感が崩壊するときに起きるようだ。わかりやすく言えば、今まで楽しいと思っていたことが楽しくなくなり、楽しめるものが見つからなくなって発病する。

4月からの仕事は今までであれば楽しいと思っていたことだが、今はそんなに魅力を感じない。あんなに若い女の子が好きだったのに、今はそうでもない。一時的な子供への強烈な愛情も平隠になった。ついでに熱帯魚フィーバーもおさまった。

私は物事にのめり込む性格だが、飽きるのも早い。それでいて、目標がないと精神的につらくなるため、熱中する何かを常に持っている必要がある。それがないと落ち込むばかりだ。仕事が好きな方なので、仕事に熱中することで精神の安定を保つことが多いが、最近私は自分のこなせる仕事のレベルが一段階上がったと感じており、予定している仕事は物足りない。こんなときは、仕事以外のところで熱中できそうなものを見つけるしかないのだが、それもうまく行かない。今回の「人生むなしい病」はなかなか治りそうもない。

退職願

40過ぎても徹夜でカラオケする人がいる。最近の40って若いなぁ。というか、バカだなあ。

今日、何もかも嫌になって、会社を辞めたいと申し出た。オイオイ突然何を言い出すんだということになったが、案外すんなりと退社できるものと思っていた。2000万円になっている株も捨てる覚悟だし、今の顧客とも縁を切られてもいいと思った。とにかく丸裸になってもいいから辞めたいのだ。実は最近私はほとんど睡眠をとっていない。このままでは死んでしまうのだ。辞めさせてくれい。

理由は2つ。1つ目の理由は、会社の指示するスピードにもはやついて行けないと思ったのだ。これから行わなければならない殺人的な仕事量に比べ、こちらの戦力は弱すぎる。会社のノルマを果たすためには、地獄を何度もくぐる必要があることは目に見えている。体力や気力があるならまだ耐えられるが、私もピノコも疲弊しきっている。しかも、最近赤丸急上昇中のピノコのヤロウは、いろいろなところから引っ張りダコで、ひょっとすると、この嵐の中を私1人でくぐり抜けなければならない場面がたくさん出て来そうな雲行きになっている。しかも、私はとても優しいので、ピノコが疲れたり傷ついたりしないように守ったりもする(ピノコは気づいていないが)ので、大変な仕事量になってしまうのだ。こりゃあ、確実に死ぬな。俺はまだ死にたくねぇ。死にたくねぇーよ。

2つ目の理由は、社員でいる限りは仕事を選べないということ。モチベーションがあれば、多少仕事量が多くても、楽しく乗り切れる。しかし、あまり乗り気でない仕事は、ほんの少しでも疲れる。まして、それが大量となると悲劇だ。だが、雇れの身である限り、つまらない仕事でも最後は引き受けざるを得ない。会社の方針には逆えないのである。だんだん偉くなってきた私にはこれが我慢できない。やりたくねぇーよ、この仕事。だから、辞めさせてちょ。

ところが、すんなり受理してくれそうもない。絶対に辞めさせないつもりらしい。辞めるためには非常手段しかないようで、円満退社は無理そうだ。これには実は相当驚いたのだが、結局、説得されてしまった。やはり色々とお世話になっているので、険悪になってまで辞める勇気は出なかった。しかし、問題が解決しないままでは残れない。どうするか。1つ目の問題については、外部リソースの使用と自分の部下のリソース管理を保障することと、命を削ってまでは仕事しないことで折り合った。折り合うもなにも、これが当り前なんだがね。2つ目については、あと2年は我慢して、2年後に私の独立を支援するという話になった。まあ、仕方ないか。

雇用条件を良くするために退社の話を持ち出したのではないが、新組織の話をしているうちに、空席になっているカスタマーサポートの責任者になりたいと言ってしまった。すんなり通ってしまった。俺ってバカだなあ。サポートで使用するCTIなどのシステム作りとコールセンターのワークフロー作成に興味がわいて応募してしまったのだが、顧客に頭を下げる仕事を忘れていた。でも、いいか。コールセンターをお姉ちゃんばかりにして、楽しめばいいか。俺って、そればっかだね。今度某社のカスタマー大部長であらせられるTオヤジに話を聞きに行こうっと。

ということで、辞める話はどこへやら。すっかりやる気になってしまっているのであった。

忠誠心

西武グループの社員には堤氏に絶対の忠誠を示す人が多いという話を聞いた。特別な人心操作術を持っているのだろうか。あるいは忠誠心を伸ばす独自の仕組みが西武グループには存在するのだろうか。

戦国シュミレーションゲームで武将の「忠誠度」というのがある。光栄の「三国志」や「信長の野望」では、「武力」や「知カ」と並ぶ部将の重要なパラメータの一つだ。忠誠度が低いと他国に引き抜かれたり、戦闘中に敵国に寝返ったりする。この忠誠度を上げるためには、宝物や米や金を与える必要があるのだが、その効果は君主の魅力値に比例するように作られている。また、見えないところで史実にもとづいた設定値が埋め込まれているらしく、歴史上裏切りを繰り返した三国志の「呂布」などは、忠誠度が高くてもあっさりと裏切ることがあるので安心できない。その他、各種イベントで忠誠度が上下するよう考えられており、なかなか奥が深い。

もちろん人の忠誠心は、ゲームよりはるかに複雑に出来ているのだが、ゲームは現実世界を単純化していてわかりやすい。武将の忠誠度は、君主の魅力、君主から与えられる報酬、そして武将そのもの性格だと光栄は考えている。これを会社に当てはめると、社員の忠誠度は、会社の魅力、会社から与えられる報酬、本人の性格と言うことになる。会社の魅力のなかには、上司の魅力、所属部署の人間関係など複数の要素が含まれていることは言うまでもない。

で、仲間を増すにはどうするかのいつもの話になるのだが、本当によく分からん。女性を口説くのが上手い人は人集めも上手なのではないかと想像する。私は昔から女性を上手く口説けない。一諸に働きたいと思う人を呼び寄せることもできないし、去って行く人を上手くつなぎ止めることもできない。相手が女性となるとさらに難易度は増す。

ハーレム職場を目指す私ではあるが、夢を実現する魅力、経済力がないことを痛感する。でもね、わたしゃあきらめません。職場は起きている時間の半分を過ごすところ。私も含め、皆がそれぞれ働いていて楽しくて仕方のない場所にしたいっすよ。お願いです。一諸に働いて下さい。

箱根旅行

箱根に行って来た。大人一人一泊3万円もする宿に泊まったが、飯がまずかった。あれじゃあダメだ。ここには二度と来ないだろう。

一年に二回ほど贅沢な温泉宿に泊まるようになって2年、唯一素晴しかったのは草津温泉の「つつじ亭」だ。といっても、ここは女将の好意で空いていた最上級の部屋に無償でアップグレードしてくれて、通常であれば一人一泊5万円もするところに泊まれたからだ。自腹じゃあの部屋には行けねぇ・・・。

今日の宿の食事は残念だったが、建物と風呂はよかったようで、息子は大喜びしていた。その息子が露天風呂からロープウェイを見つけたのが私の地獄の始まりだった。ロープウェイに行きたいと騒ぎ出し、旅館をチェックアウトして湯本へ。湯本に車を停め、登山電車で強羅へ。強羅からケーブルカーで早雲山へ。やっとロープウェイに乗れる。いかん、観光案内に箱根海賊船が載っている。案の定、船にも乗りたいと言い出した。早雲山からロープウェイで大涌谷、さらにロープウェイを乗り継いで桃源台へ。そして、海賊船で芦ノ湖を横断して元箱根へ。何と湯本を出て2時間半も経っているぞ。実は昨夜はいろいろと考え事をしていて2時間しか寝ていない。この地獄のような行軍は俺の睡眠時間よりも長いやんけ!

でも、息子は喜んでいた。父は君のために頑張ったよ。元箱根から湯本までのバスの中、疲れて眠ってしまった息子の顔を見て、父は微笑むのであった。

湯本に着いて車に乗った瞬間、息子が元気よく目覚めた。父の聞き間違いか?動物園に行こうと言っている。どうも息子は「ロープウェイ」を「どうぶつえん」と聞き違えていたらしく、昨日から動物園に行くと決めているらしい。じゃあ、何かい?ロープウェイに乗りたかったんではなかったのかい。最初から動物園に行きたかったのかい。あの地獄の行軍が走馬燈のように父の頭を廻る。すまん、動物園は勘弁してくれ。父はそう言うのがやっとだったよ。

監督

私に間違いなく欠けているもの。それは経営人としての器である。

野球に例えれば、私は優秀なピッチャーであったかもしれない。そして、優秀なコーチであり、今は優秀な監督であるかもしれない。だが、チームのオーナーになる器はない。オーナーは全く別の世界から舞い降りて来て、野球人の上に君臨する。

私の育ってきた環境に原因があるのかもしれない。親は中学の教員だった。極左翼の反骨精神の固まりのような父で、経営の才能どころかお金は汚わしいものというやっかいな哲学を持っており、私はお金から常に遠ざけられて育てられた。お金の存在を意識の外に持って行くよう撤底的に教育されたのだ。

経営人としての器の大きさは、利益を生む才能の大きさに近いと思う。利益を生むためにはお金の性格をよく知っている必要があると思う。私はさっぱりだ。金計算が嫌いなんだよ。予算作成も嫌いだし、予実管理はさらに嫌いだ。お金の調達も投資もよく分からない。それよりも何よりもまずいのは、「お金は汚わしいもの」という考えが心の無意識領域に存在しているようなのだ。やっぱ、行っても監督どまりなのかなぁ